参加レポート
以下は、当日の参加・展示をおこなった私自身(篠原 憲文)の個人的な見解などを含めたレポートです。
現在、終末医療において自宅・病院などでの看取り看護が注目を集めています。
その中でも特にその患者の介護の当事者である「家族」「医療従事者」「ヘルパー」の方などへのグリーフケアが関心を集めています。
上記の中に、「医療従事者」や「ヘルパー」の方が含まれていることに重要であり、見逃せない点があるのでは、と今回のイベントに参加し、感じました。
終末医療に関わる方にとって、「患者さんが亡くなる」ことは、しばしば重大な精神的な混乱や喪失感を招き、大きな負荷としてのし掛かってくることがあります。
それは家族だけではなく、周りの関わる方すべてにとって、グリーフケアが必要であるということ示していると感じました。
看取り看護が一時的に行われることではなく、医師や看護師、ヘルパーの方にとっては、日常的に続いていく仕事であるため、続けていくために死を受け止め、次へと向かうためのプロセスが必要となり、その際に生まれるグリーフ「悲嘆・悲しみ・痛み」を緩和させることが課題となっているということであるとも言い換えられると思います。
家族にとってのグリーフケアは、大切な家族を失うことの喪失感を乗り越え、新しい生活へ向かうための悲しみの緩和であり、新しい生活へ向かうためのプロセスとしては、「悲嘆や悲しみの表出」をいかに促すかが重要となるのだと改めて感じました。
今日までに私達メモリアルホールみつわとして、「家族」に主眼を置いたグリーフケアに取り組んできたわけですが、医療研究会の場において、「医療従事者」にとってのグリーフケアについて気づかされた点がいくつもありました。
医療の役割は、より健康であるための医療であり、病気を治すための医療であって、失われてしまった命に対しては、医療保険はもちろん、国などからのフォローがない分野になるということも初めて知りました。
保健の効かない分野だからこそ、そこに発生する費用などは全額自己負担となるため、患者さんの家族はグリーフケアとしておこなわれる行為に対して、金銭的な負担をして、そうした行為を受けるべきか否かを選択をしなければならないことが前提にあるわけです。
これまで病院でおこなわれてきたいわゆる「エンゼルケア」の相場として、1050円、2100円、3150円、5250円ぐらいであり、平均額3150円と答える病院が最頻出であったそうです。(出典:遺体の保存と衛生管理)
無償で行われる行為であれば、薦めに対する同意が得られれば実行に移すことができますが、有償になった途端にその行為にどういった意味があるのか?
なぜそれをすべきなのかということを迫られるようになります。またそれが金額に見合っていることの妥当性を説明する必要も出てきます。
グリーフケアの広がりを妨げている一因がこういった制度上にもあるということを今回のイベントを通して初めて知りました。
分科会Ⅳでおこなわれた「家族看護・グリーフケア」講演会において、「聞き書き」ボランティアという活動を知りました。「聞き書き」を通して本人の足跡やその人となりを家族や知人に形として残す活動について、大きな感銘を受けました。
私達が葬祭業者として現場に立ち、感じることとして「歴史」として形あるものを提供することが家族のグリーフケアに繋がることを実感として持っていただけに、その取り組みから感じ取れる大変さや取り組む人の苦労を感じることができ、営利でないところでの真剣な活動を感じることができました。
実際に、施設で取り組んでいる活動も亡くなった後の人については、ボランティアが中心となり、営利活動に繋がりにくい現状についてお伺いしました。
ボランティア活動を継続することの難しさについては、有志により成り立っている現状を見れば明らかだと思いますが、そこを継続できる形を模索し、活動しているという点について、大きな感動がありました。傾聴ボランティアとも違った、形を作り、子や孫へと受け継いでいく活動。この意義は現在よりも後世にとって有用であり、故人の人生の軌跡を通して、自分のルーツを知っていく家庭においても重要であると感じました。
グリーフケアの始まりは聞くことであり、語ってもらうことからその活動が始まると言うことは、逆に言うと語ってくれない人のケアをどう考えるのか?という疑問も同時に生まれました。語ることを拒む人に対して、この聞き書きの活動はそこさえもフォローすることができるのではと感じられた。
実際に葬送の現場に経って感じることは、グリーフケアをもっとも必要とする人の多くが高齢の男性であり、生涯の伴侶を亡くしてしまった後に、語ることを止めてしまった人であるということでした。
そうした閉じていて自ら活動の現場に顔を出してくれない人へのフォローについては、今後もケアのあり方が問われるのではないかと感じています。
自分の経験に即して書くとすると、悲しみを乗り越え、明日からを生きていくためには、「足を止めて」「悲しむ必要がある」ということでした。
悲しみを遠ざけるようなアプローチもあるとは思いますが、当時を思い出し、涙を流し、亡くなってしまった、失ってしまった人のことを想い、感情の表出をおこなうことで明日からを生きていけるようになるのではないかと思います。
最初は父親を亡くしたときの後悔を仕事に生かそうと、個人的なエゴのようなところからスタートした取り組みである、みつわの想い出を振り返るサービスも実際に体験したお客様からの声を伺い、最近はより自信を深めています。
想い出を形にし、送り手の思いを故人へと届くよう形にしていくことが私達葬祭業者に求められているのではないかと改めて感じました。
メモリアルホールみつわ
式典統括 篠原 憲文
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広報担当 : 篠原
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